食道裂肛ヘルニアの手術
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食道裂孔ヘルニアは、食道と胃の境界の部分が胸の方にずれてしまい、胃酸が食道に逆流して食道炎を起こしたり、食べ物が通りにくくなり、吐いたりする病気である。ほとんどの場合は薬で調節できるが、ひどい場合は手術が必要になる。以前、この手術はおなかを大きく切っていたが、現在では3〜10mmの4〜5ヵ所の傷で、おなかの中に細長いカメラや手術器具を入れ手術をすることができるようになっている。小さな傷のため、痛みも少なく回復も早いというメリットがある。
ただ、やはり一般的な場合、多くの医者は内科的に治療を完結させようとする。手術で人間の体にメスを入れるということは、それだけでリスクを伴う作業であり、麻酔をかけて体内に器具や外科医の手を加えることで、術中は勿論、術後になにか合併症が待ち受けているかもしれません。なので、ヘルニアのような良性疾患に対する手術適応は、より慎重に判断せざるを得ないのである。
こうした背景から、ヘルニアに対して手術が行われるのは次の通り。
(1)胃内容逆流による誤嚥が多い(高齢者、寝たきりの人に多い)
(2)食道炎、食道潰瘍が内科的治療抵抗性
(3)出血や狭窄を起こしていて内科的に治療困難、
(4)稀なタイプのヘルニアで、胃が飛び出した孔に締め付けられて阻血を起こしそうな場合
の4つが主である。(1)(2)の場合は、とびだした胃を腹腔内に引き戻し、更に食道も腹腔内に引きずり出してそのまま胃袋のなかにめり込ませ、めり込ませた部分を胃ごと縫い合わせる(Nissen手術、Toupet手術)方法が中心。最近では上述の通り、大きく腹を切らなくても腹腔鏡手術によって1週間程度の入院で出来る施設も増えているようだ。(3)の場合は、問題となる病変部を切除する方法がとられることもある。(4)は命に関わりかねないので緊急を要しますが稀なものである。
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